パフェで地域盛り上げ

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地元の女性客にパフェを提供する伏見純哉さん=美濃市乙狩

手作り体験の店美濃市に開店

【2023年02月12日(日) 岐阜新聞 朝刊】

昨春就農の伏見さん
 美濃市北西部の乙狩地区にイチゴのパフェやタルト作りが体験できる「産直パーラーChuSanKan(中山間)」がオープンした。開業したのは昨春、同市で新規就農した伏見純哉さん(25)=乙狩=。「農業やこの店を通じて中山間地域の美濃市を盛り上げていきたい」と意気込む。

地元の女性客にパフェを提供する伏見純哉さん=美濃市乙狩

地元の女性客にパフェを提供する伏見純哉さん=美濃市乙狩

 伏見さんは岐阜市出身。昨春、美濃市南部の極楽寺地区でナスの栽培を始め、冬は同市北部の上野地区でイチゴを手がける。店ではここで収穫したイチゴが材料になる。
 パフェ作りのセットはカットしたイチゴ、コンフィチュール、ペースト、砕いたビスケット、生クリームからなり、重箱で提供される。「イチゴが主役になるパフェにしたかった」と生クリームには砂糖を加えず、イチゴそのものの甘みを楽しんでもらえるようにした。イチゴはナイフでさらに小さくすることもでき、ビアグラスに好きなように盛り付けて自分だけのオリジナルパフェができる。

いちごをふんだんに使った自分だけのパフェが作れるセット

いちごをふんだんに使った自分だけのパフェが作れるセット

 1月のオープン以降、地元住民や女性らが続々と来店し、思い思いにスイーツ作りを楽しんでいる。パフェはできた物を注文することもでき、地元の山田サナエさん(83)は「お店ができたと聞いて初めて来た」と来店。「イチゴの自然の甘みがおいしかった。若い人が頑張ってくれているので応援したい」と語った。
 伏見さんは「この場所(中山間地域)に来てもらうことが目的。そのきっかけとして店をオープンした」と狙いを語る。伏見さんが農業を意識したのは高校時代。農地が宅地に変わっていく姿を目の当たりにし、これで良いのかと疑問を持った。秋田県立大生物資源科学部で農業や山間地について学ぶ中、農山村振興にも考えを深めた。農業では地理的条件で不利とされる中山間地域だが、今はそれだけではない自然環境の豊かさも実感している。
 伏見さんは「地域には耕作放棄地の課題や高齢化の波など深刻な問題があるのも現実。だが、一つの経営体として成長して、地域に貢献していけたら」と話す。
 パフェ作りは大人2千円、小学生以下500円。産直パーラーの営業は金土日曜日。営業時間は午前9時30分~午後4時。店ではイチゴの直売も行う。水曜日はイチゴと加工品を販売している。問い合わせは同店、携帯電話070(8528)1298。

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