飛騨市に広葉樹製材所

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製材機で板材に加工される広葉樹=飛騨市古川町宮城町

販路拡大へ供給網整備 市コンソーシアム開設

【2023年07月19日(水) 岐阜新聞 朝刊】

 地域にある豊富な広葉樹の販路拡大に取り組む飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアムが運営する広葉樹専門の製材所が18日、同市古川町宮城町に開設された。市内では2カ所目となる広葉樹対象の製材所で、広葉樹の流通拠点を強化して木材の生産量を増やすことで供給網の整備を図る。

製材機で板材に加工される広葉樹=飛騨市古川町宮城町

製材機で板材に加工される広葉樹=飛騨市古川町宮城町

 飛騨市は面積の約94%が森林で、うち約70%を広葉樹林が占める。広葉樹の大半は安価なチップ用材とされ、市は用途を拡大することで広葉樹の価値を高めて林業と木工の振興を図ろうと事業を進めている。
 2020年に林業者、木工業者、建築業者と市などで共同事業体のコンソーシアムを設け、市地域おこし協力隊員と共に木の切り出しから製材、製品化、販売までの新しい流通網の構築に取り組んでいる。
 取り組みの成果や国産材活用の機運などで広葉樹材の需要増が考えられる中、市内には広葉樹の製材を営む事業所が西野製材所(同市古川町)のみとなっていることから、コンソーシアムが広葉樹専門の製材所を設けた。
 新たな製材所は約300平方メートルの建物に製材機があり、原木の搬入から製材、搬出までを行う。原木や木材などを置く集積場もあり、流通の拠点となる。総合建築の匠和組(同市古川町)が以前に製材に使用していた施設で、コンソーシアムが借り受けた。
 18日は開設された製材所で稼働記念式があり、コンソーシアムの会長を務める西野製材所の西野真徳社長が製材機を扱い、飛騨市産のアベマキを板材に加工した。西野会長は「製材を強化し、広葉樹の流通を加速させる。製材の技術者も育成して持続可能な産業とし、雇用も増やしたい」と意気込みを語った。

飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアムが設けた広葉樹専門の製材所

飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアムが設けた広葉樹専門の製材所

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